共有持分を譲渡する
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このページでは、共有持分の譲渡について調べています。
共有持分の譲渡とは
共有名義の不動産で、自分の共有持分を手放したいと考えた時、以下3種類の方法があります。
- 譲渡…他の名義人、または第三者に与え、対価を受け取る
- 贈与…他の名義人、または第三者に無償で与える
- 放棄…自分の持ち分を放棄する(持分は他の名義人に移る)
譲渡は、自分以外の人に共有持分を与えて、対価を受け取ることになっているので、売却とあまり変わらない印象です。「対価を受け取っていないから、売却ではない」という場合、自動的に『贈与』あるいは『放棄』に該当することになります。
なお、共有名義の不動産であっても、自分の共有持分を独断で処分することは、民法によって認められています。事前に他の名義人へ情報を伝達しておくことは必要でしょうが、許可まで得る必要はありません。
ただし不動産全体を処分することはできず、あくまで「自分の持ち分のみ」であることを理解しておいてください。
共有持分の譲渡でかかる税金
不動産を売却して対価を得ると、そこに所得税が課せられることとなります。それは譲渡であっても同じです。
- 所得税の計算法…収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額×税率
ここで気がかりなのが、税率です。税率は不動産の所有年数によって変化します。所有期間が5年以下だと税率30%(住民税9%)、5年以上だと税率15%(住民税5%)と、大きな差があるのです。
共有持分を譲渡する場合でも、所有年数のことは念頭に入れておいた方が、節税効果は高まります。
贈与による税金
「譲渡以外の持ち分処分法として、贈与があること」を紹介していますが、無償で財産を他人に与えると、受け取った側に『贈与税』が課せられます。
贈与税を逃れるため「本来は1,000万円の価値がある持分を、100万円で譲渡すれば、控除内ではないか」と考える人がいるかもしれません。しかし、この対策として、譲渡を受けた側に「残り900万円分の贈与税が課せられる」という落とし穴があります。
不動産は定期的に価値が査定されていますので、贈与税逃れの小細工やごまかしは通用しないのです。また『放棄』という方法を選択したとしても、他の名義人に贈与税が課税されると知っておきましょう。
共有名義不動産の持ち分を処分するにあたっては、名義人の間でのトラブルなどが発生しやすくなっています。
他の名義人や親族に譲渡する前に、一度不動産のプロに相談し、最適な解決策を指南してもらうと良いでしょう。